節分に思う (校長より)

早いもので2月に入り今年度の授業も残りわずかとなってきました。1月中旬の大寒波とは裏腹にこの頃は比較的穏やかな日が続いているように思えます。しかしながら、このところ体調を崩し始めている人も見受けられるようになってきました。皆さん健康には十分にご注意ください。


 また、保護者の皆様には1/28に「先生・スタッフありがとうランチ」を催していただき、大変心のこもったお料理や飾りつけなどすべてがとてもありがたく、この紙面をお借りして、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

 さて日本では2月3日は節分です。節分は皆さんも良くご存知のように、立春、立夏、立秋、立冬と季節の始まりの日の前日をいい、1年に4日あります。その中でも新しい年の始まりにあたる立春の前日の節分が今の形として残ったといわれています。地方によって違いがあるかもしれませんが、一般的には豆まきを行ったり、そのまいた豆を自分の年齢の数だけ食べたり、イワシの頭とヒイラギを戸口に挿したり、恵方巻きを食べたりすることで季節の変わり目の邪気をはらい、健康を願うという意味があるそうです。

 私が以前、東京にある2番目に小さな島の学校に勤めていたときの話です。人口わずか300人の島では、昔から続く風習や慣習などが脈々と受け継がれており、様々な行事が行われています。節分もその一つです。2月3日の夜に、様々な衣装に身を包んだ村の若い衆と教員の若手が集まり、2つのグループに分かれ村中の家を1軒1軒、特に教員のグループは児童生徒や教員の家を中心に回ります。幸せが訪れますように、皆が健康でありますようにとの願いをこめて、「福は内」と大きな声を出しながら豆をまいて回ります。

 一般的には豆まきは家庭ごとに行うことが多いですが、島全体が家族のようなこの島では島民全員が幸せになって欲しいとの願いからこのようなことが行われるようになったそうです。子どもたちもこの豆まきの集団が家に来ることを大変楽しみにしており、今か今かと心待ちにしています。

 しかしながら、このように伝統的に行われている日本の風習や習慣も時代や地域によって変わってきているようです。この豆まきにしても、以前は親が鬼の役目をして、子どもたちが豆をまくことが多かったと思います。最近では仕事や習い事などで家族が一堂に会することも難しくなり、豆まき自体を行う家庭も少なくなってきているようです。

 また掃除が大変だからと袋入りの豆をまくこともあるようです。私が育った東京の下町では、子どもの頃は節分の夜になると、あちらこちらから「鬼は外、福は内」という掛け声とともに、パラパラパラという豆がまかれる音が聞こえてきました。それもいつの間にかテレビを通しての音と映像に変わってしまいました。形や方法は時代とともに変わることもありますが、そのものの意味は変わらず私たち大人が子どもたちに伝え続けていくことがとても大切なことだと感じています。

 本校では、「初春の会」や1/28に低学年で行った「日本のおまつり」をはじめ、様々な日本の伝統文化等を取り入れた教育活動を今後も行ってまいります。保護者の皆様もぜひご参加いただき、子どもたちと共に楽しんでいただければと思っています。

 後日談ですが、先の島での豆まきでは、親しい者が豆をまきに家に来るときには要注意です。特に留守にしている時に来た場合はとても大変です。なぜならばそのまく豆の量がものすごいのです。この島は大変家庭的な島のため家の玄関の鍵は留守のときもかけることはありません。車のキーも常につけたままにしておきます(道幅が狭いために駐車していても誰でも移動できるように)。ですから、家の中に自由に入ることができるため、家中のいたるところに豆がまかれ、トイレや風呂場、車の中まで豆だらけになります。その後の掃除が大変なのは言うまでもありません。いくら掃除をしても、季節はずれに豆が見つかることも良くありました。これも島での楽しみの一つかもしれません。

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