「バイリンガル教育インタビュー」カマック祥子先生(6年生担任・副主任教諭)

 「バイリンガル教育インタビュー」`として、先生方それぞれの視点から日本語教育や家庭でのサポートについてのユニークなお話をお届けしたいと思います!

第一回目は、小学6年生の担任で副主任教諭でもあるカマック祥子先生からお話を伺いました。

1. 先生ご自身について教えてください

ご存知の方も多いかと思いますが、生粋の大阪生まれ、大阪育ち、大学も大阪です。主人が空軍士官でしたので、子供3人とDC、バージニア、テキサス、などを経て、現在はコロラドに落ち着きました。人生のモットーは、「笑う門には福来る」。大阪では中学校の英語教師、ECC外語学院の教員をしていました。子供とお寿司が大好きです。

 

2.    先生の教育に関するモットーを教えてください。 

「好きこそものの上手なれ」と言われますように、何か「ときめき」を子供達が見つけられるようにお手伝いするのが教師の大きな責任だと思っています。大人だってその「ときめき」がなければ「三日坊主」になってしまいます。その「ときめき」に付加価値を見つけ出させる事が、生涯教育に繋がります。あなたの「ときめき」は何ですか?

 

3.    生徒が積極的にクラスに参加し、集中できるようにするためには、どのような工夫をされていますか?

金子みすゞさんの「みんなちがってみんないい」のように、すべての授業に積極的に参加できる生徒は素晴らしいかもしれませんが、恥ずかしがりで人前での発表は苦手な生徒にも内に秘めた何かを持っているはず。その何かをあらゆる角度から引き出してあげられるような工夫を心掛けています。自由研究等も、紙に書く、ワード、パワーポイント、紙芝居、劇、自分の好きな方法で自分を表現できるチョイスを与えています。

 

4.    デンバー日本語補習学校の生徒の多くがアメリカ永住者ですが、日本へ帰国を予定している家庭と求める教育レベルにギャップはありますか?またそのギャップを解消するためにどのような工夫をされていますか?

昨今のテクノロジーの進化で「どれだけの知識を保持しているか?」というような暗記的な教育方針から、色々なテクノロジーや、媒体を駆使し如何にして必要な情報や、数値を手に入れるかが問われる世に中に変わってきていると思います。もちろん本校は日本語を限りなく国語のように習得していってもらう目的で通ってきてもらっているのですが、語学はあまり得意でないという生徒さんもいるはず。「だけど日本や、日本文化は好き。興味がある」という生徒達に、日本で流行っているアニメや、小説、動画等で共感できる事を発見さえできれば、それが糸口となり、「ときめき」に変わると思います。もちろん漢字学習も必要でしょうが、その糸口を生徒達が掴むことが出来れば、学習は自ずとついてくるはず。私の授業では容赦なく大阪弁が出てきます。その事で「先生の言ってる事わからない!」と言ってきた生徒はいません。「わかろうとする努力を自ずからできる力」が、そのギャップを解消してくる「能力」となるはずです。

 

5.    平日は現地校、週末に日本語補習校に通う子供たちの中には、「学校に来るのは楽しいけれど、宿題が大変」というお子さんが多いですが、保護者、生徒たちに対してどのようなアドバイスがありますか?

私の家族は義理の息子を含め、私以外全てアニメオタクです。夫ですらアニメから日本語を学ぶようになってきました。(異常に不自然な日本語のボキャを保持しています。)娘はアニソンのDivaです。(毎年デンバー紅白歌合戦に出場しています。)先にも申しましたが、私はアニメオタクではありません。時々視聴しますが、普通の日本のテレビを見る方が好きです。恐らく「きっかけ」は私が日本人であり、日本語を家庭で話していた事であったかもしれませんが、それがそれぞれの「ときめき」となり、結果的には、少なくとも子供達は「バイリンガル」になったのかもしれません。

 

7. 高学年に入ると日本語も教材内容のレベルも上がり難しくなりますが、特にこちらに残る予定の生徒たちが授業についていけるようどのような工夫をされていますか?また、家庭では日頃どのようなことを実施すればよいでしょうか?

先程から一貫して私が申し上げている事、それは「好きこそものの上手なれ」です。うちの息子も宿題が嫌いで(私にガミガミ言われるのが嫌で)何度も補習校を辞めさせてしまおうと思った事があります。でも彼は先生との面談で、自分の口で「補習校頑張る」「辞めたくない」と言い放ちました。私の息子でさえも「辞めるのが嫌だ」と思わせた本校は、生徒一人一人にとって理由は違えども、「魅力で溢れている」学校であるはずです。それが友達であれ、いろんな行事であれ、環境であれ、そして個性たっぷりの先生達(?)であれ、それが我が校が誇る「プラスの経験」に結びつくのだと信じています。是非皆さんもこの学校で一緒に「好き❤️」をたくさん見つけていけたらと思っています。「ときめき」を見つけ出す工夫のお手伝いが出来たらと願っています。

カマック先生、素敵なお話をありがとうございました!

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